女性が結婚に躊躇する理由。なぜ女性は晩婚化?、非婚化、結婚しても少子化なのか? 社会変化に対応しない社会保障制度リスクと、経済の悪化がきっかけで顕在化しました。男性の雇用形態の変化が終身雇用の年功序列主義から能力主義に変わり、景気の悪化も伴い、10年前と比較して男性の平均給与は下がってしまっているのです。その結果
男性だけの収入で家族を養うことは一般的に困難となり、専業主婦になれる妻は年々減少しました。
女性が結婚によって、家事や育児に専念できる「永久就職」は見込めず、「共働き」が当たり前になりました。
しかし、女性にも労働が促される状況にも関わらず、法律や社会保障制度が追いついていません。
しかし、育児と介護の役目を女性の仕事と考える環境・風習は変わらず、負担が増すだけなので、女性は手離しで結婚に飛びつくわけにはいきません。
現在の日本では、多くの女性が、
妊娠・出産・育児をする場合、働くことは制限され、退職または休職により、一度は仕事から離れることを余儀なくされます。
女性にとっては、子どもを産み育てたいと思うなら、それと引き換えにキャリアを手離すことが交換条件であるかのようです。
女性は、妊娠・出産・育児をきっかけに、仕事を中断した場合、一般的には夫に経済面で頼らざるを得ない状況になります。
しかし、夫の給与だけで家計を支えるのは困難な状況です。
共働きで生計を立てている場合、女性が出産を機に仕事から離れれば、とたんに不安定な家計に陥ってしまいます。
たとえ、子育ての一定期間の生活が夫の収入だけで可能であっても、その後、
再就職をして、ゼロからスタートする場合、以前の給与と同じ賃金の仕事に就くのは難しいでしょう。
医師、看護師、弁護士、税理士、公認会計士などの専門性の資格があるか、余程の能力や運に恵まれない限り、以前の仕事よりも低賃金の仕事しか残されていない現実が待っています。
また、託児所などの子育て支援も充実していない現状では、子供が小さい場合、女性にとっては、正社員への道は難しく、時間の自由の効くパートタイムの仕事しか選択肢がなくなってきます。
「夫の収入に頼れるから大丈夫」という女性も多いでしょう。
しかし、結婚には、死別・離別の可能性がゼロではありません。
余程の資産家を夫にしていない限りは、安心はできないでしょう。
夫の暴力、浮気、度重なる借金・・・等々、離婚を考えた場合でも、女性が経済的に自立する手段がないために離婚できないというケースもあるようです。。
しかし、国外に目を向けてみれば、子育てのために、女性がキャリアを断念する必要がない国はたくさんあるのです。
それは、子育て支援の法制度が整っていること、出産・育児休暇後の職場復帰が法律で保障されているからです。
日本では、男女雇用機会均等法によって、「妊娠、出産、または産前産後休業を理由とする解雇」と、「妊娠、出産等を理由とする解雇以外の不利益取り扱い」は禁止されています。
しかし、フランスのように、産後、職場復帰をした際に、産前と同じ条件で仕事を続けられるための保障まではありません。
産後の女性の再就職を支援するマザーズ・ハローワークのような機関はありますが、
それよりも、女性が産後も辞めずに働けるように、産休後も同条件で職場復帰ができるよう、雇用主に義務付ける法改正が強く望まれます。
出産で辞めていく同僚や、職場復帰をしても以前とは違うポジションで働いている先輩を見て、
女性たちは自分のキャリアの未来や、結婚や出産に伴うリスクを肌で感じ取っています。
その結果、結婚や出産を先延ばしにしたり、躊躇する女性がいるのは当然のことです。