街中では、タバコの吸殻やゴミのポイ捨てをよく見かけます。道路上や河川に吸殻やゴミが落ちている、タバコを吸っている人が吸殻を投げ捨てる、車に乗っている人が窓を開けて吸殻を捨てる……など、よく目をこらしてみると実にたくさんのポイ捨てが見つかるものです。
■小さなゴミなら捨てても問題ないかのように思われますが、タバコやゴミのポイ捨ては立派な法律違反です。
小さなゴミですが、ゴミのポイ捨ては不法投棄に変わりありません。
■ポイ捨てを禁止している法律とは
タバコの吸殻・ゴミのポイ捨ては、以下の法律で罰せられる可能性があります。
▼「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
第16条で「何人もみだりに廃棄物を捨ててはいけない。」と定めています。
空き缶、紙くず、タバコの吸殻のように小さなゴミから家電のような大きなゴミまで、いかなるゴミもむやみに捨ててはいけません。
▼「軽犯罪法」
第1条で「川やみぞ、水路などの流通を妨げるような行為をした者」「公共の利益に反し、ゴミ、鳥獣の死体、汚物または廃物をみだりに廃棄した者」は罰則の対象となることが定められています。
川や水路、街中にゴミをむやみにポイ捨てすることは軽犯罪法にもひっかかります。
▼「道路交通法」
第76条第4項では次の行為を罰則の対象としています。
「道路上の人や車両などを損傷するおそれのある物件(石、ガラス片、金属など)を投げたり発射したりする」
「道路で進行中の車両などから物件を投げる」
「道路、交通の状況により、交通の危険を生じさせたり道路を著しく妨害するおそれがあることが認められた行為」
車からのポイ捨ても、交通や道路を妨害する違法行為になる可能性が高いのです。
ちなみにタバコの灰だけ窓の外にポンポンと落とす人もいますが、灰を捨てたというだけで罰せられることはないようです。
ただし、タバコの灰がほかの車両や人に被害を与えた場合は、道路交通法の違反に該当します。
以前 車の窓からタバコの吸い殻をポイ捨てしたのを、後続のパトカーに目撃されて、『道路交通法』違反で現行犯逮捕されたニュースが報道されました。
▼「河川法施行令」
第16条で、何人もみだりに河川区域内の土地に土石や砂、ゴミや、鳥獣の死体、などを捨ててはいけないと定めています。
街中や道路だけでなく、河川区域内にも物をむやみに捨ててはいけません。
■ポイ捨てをした場合の罰金はいくら?
タバコやゴミのポイ捨てが違法行為と認められた場合には、当然ながら罰則が科せられます。
法律ごとに定められている刑罰と罰金の金額を見てみましょう。
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律:6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金
・軽犯罪法:拘置所に1日~30日未満拘置、または千円以上1万円未満の科料
・道路交通法:5万円以下の罰則
・河川法施行令:6ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金
■もし違反行為が複数の法律に該当する場合は、最も重い刑罰が科せられます。
「たかが小さなゴミくらいで」「ほかの人も捨てているし」と思われるかもしれませんが、
ポイ捨ては美観を損ねますし、第三者が思わぬ事故やケガをしたり、ゴミの清掃をする人に大きな負担をかけたりする迷惑行為です。
■ポイ捨ては連鎖していくため、一人が気を許してポイ捨てすると街にゴミが増えてしまいます。
「ちょっとくらいいいだろう」ではなく、ポイ捨ては違反行為ということを意識する以上に人間としてのモラルと捉え、ゴミは適切に処理しましょう。