円安、円高という言葉は、円の為替相場に関するニュースなどでよく聞く単語です。耳にする機会は多いものの、意味がいまいちわからないという人も多いようです。円安とは、円の価値が安くなることです。1ドル=80円が1ドル=90円になると、円安ということで
1ドルの商品を買う為に、これまで80円で済んだものが、90円必要になることです。
為替レートは円安方向へ向かったということになります。
円安になると、アメリカでは日本製品をより安価で購入することができます。
結果的に日本の輸出量が増えます。
反対に、アメリカから日本への輸出量は減ります。
日本からすれば、アメリカの商品が高く買いづらくなるためです。
この反対に、円の価値が相対的に高くなることが円高です。
円高とは、例えば1ドル100が95円になることです。
日本円に人気が集まり、多くの人が日本円を買おうとすることで価値が上がります。
日本の債券や株券を買う動きも、活発化していると判断できます。
アメリカ人が1ドル120円の時に日本の株を購入した場合、為替が1ドル100円になると株価が上昇しなくても為替差益で儲けることができます。
日本の株を積極的に購入する外国人投資家も少なくありませんが、そういう人たちは為替レートの変動も考慮に入れています。
為替の仕組みを知り、円高、円安がそれぞれ輸入、輸出にどのような影響を及ぼすかを知ると、為替取引がしやすくなります。
為替レートが円高になった時のメリットとデメリット
為替レートが円高になると、原油などの輸入物の実際の価格はそのままでも、仕入れの値段が下がります。
原油が安くなると、結果としてガソリンや灯油の値段が下がるという形になります。
電気やガスのようなエネルギー全体の価格が安くなることにつながります。
為替レートが円高になると海外旅行で安く買い物をすることができます。
1ドル=200円なら10万円で500ドル相当の買い物しかできませんが、1ドル=100円なら1000ドルぶんの買い物ができます。
輸入商品を仕入れるためのお金が少なく済むことも、円高の特徴です。
仕入れが必要な資金が下がれば、価格も低く抑えられます。
円高の影響で輸入品の仕入れが安くなれば円高セールも頻繁に行われるようになり、購買者の得にもなります。
円高にはメリットが多いようにも見えますが、欠点もあります。
円高になると輸出産業が苦しくなります。
日本国内でつくり、海外で販売するときの価格が高くなりますので、他の輸出国との競争が不利になります。
その結果、輸出産業の売上げが低下することになります。
海外の投資家も株価が頭打ちしたり低迷の予兆が見え出すと、為替損益が発生する前に早めに利益を確定しだします。
結果的に、海外の投資家が日本円から資金を指導させることで、円高がストップするわけです。
円高、円安それぞれに国内の輸出、輸入産業への影響は大きいことを理解しつつ為替をチェックしてください。
為替レートが円安になった時のメリットとデメリット
円相場が円安方向に動いた時に、国内産業にもたらされる利点は何でしょう。
円安は、輸出企業の売上げが伸びるチャンスです。
販売価格を変えずとも、円安になれば輸出業の価格が下がります。
そのため海外の多くの人が日本の製品を買うようになるという仕組みです。
円安になれば輸出業の生産量が伸び、輸出企業の業績が伸びて賃金などに反映されます。
為替レートが円安になると株価も上昇します。
円安になると、海外の投資家は資金を日本円に注ぎ込み、円安のうちにと様々な株の銘柄を買い込む動きに移ります。
株が上がれば企業も様々な活動ができるようになります。しかし、円安であることはいいことばかりではありません。
円安で打撃を受けるのは、輸入産業です。
輸入品を高く売らなければならなくなるためです。
輸入全般に、今までより多くの日本円を注ぎ込まなければならないのが円安の特徴です。
その結果原油価格が上がり、エネルギー料金が上昇します。輸入品の仕入値が円高の影響で高くなると、原材料を輸入に頼る会社も打撃を受けます。
連鎖的に商品の価格が上がると国内での消費が低迷することになるのです。
物が高くなれば、買う側も必要最低限以外の買い物を控えようとするでしょう。
円安はよい点だけでなく、欠点もあることを踏まえて為替を見る必要があるでしょう。