うつ、引きこもり、暴力、浮気…家族に起こる問題は、その本人だけにアプローチしても解決は困難です。なぜなら、家族のストレスは、家庭のコミュニケーションの不和から生み出されていることが多いからです。コミュニケーションのゆがみ、ズレが問題なのでしょうか。
家族関係が原因になって、家族の誰かが心理的な問題を抱えることがあります。
うつ、引きこもり、家庭内暴力、浮気、各種依存症などがそうです。
しかし、問題を起こした本人だけを直そうとしても、その問題は解決せず、逆に悪化することが少なくありません。
たとえば、学校に行くのが嫌で引きこもってしまう子どもに、頭ごなしに叱ったり心配しすぎたりすると、子どもはますます心を閉ざしてしまい、引きこもりから抜け出せなくなることがあります。
また、買い物に依存する妻に対して、ただカードを取り上げるだけでは、反道徳的な行動でお金を手に入れようとしたり、別のはけ口に依存しようとすることがあります。
こうしたケースは、本人自身だけの問題でなく、家族のコミュニケーションにゆがみがあることによって生じている場合が多いのです。
ダブルバインド(二重拘束)が、家族の心を不安定にさせるコミュニケーション・パターンです。
これは、本心では「NO」なのに、口では「YES」と言うように、言葉と感情が矛盾している伝え方のことです。
たとえば、学校から帰ってすぐ「友達と遊びに行って良い?」と聞く子どもに、「いいけど、でも、宿題は?」というように答えると、子どもは親の本心は「YES」と「NO」のどちらなんだろう?と混乱し、いつも親の顔色を窺うようになります。
この場合は「宿題をやってからにしなさい!!」とハッキリ答えると、子供の頭の中では、やるべきことの優先順位が確立されるようになります。
また、夫から口では「愛してるよ」と言われているのに、休日にはいつも1人で出かけてしまう場合、妻は夫の本心を理解できず、常に不信感を持ち、精神的に不安定になりやすくなります。
このような矛盾したコミュニケーションが続くと、受け手は家族とのやりとりに安心感を持てなくなってしまいます。
おまけに家事も一切手伝わない夫に、不満のかたまりは、いつか大爆発します。
世の中の亭主族に言いたいが、ゴミ出しくらいは手伝ったら?
ゴミ出し風景をみると、まだまだ奥様が圧倒的に多いです。
他人に見られると恥ずかしいですか?
我が家では、ゴミの分別、ゴミ出しは完全に男の仕事と認識して私がやっています。
以前、人生相談で、息子が嫁にゴミ出しをやらされてると相談していましたが、解答者の弁護士の先生が 「それって、男の仕事と思って、私もやってますよ」 ・・・ なんかスッキリした解答でした。
ただ 一つや二つ、手伝ったからと威張るのは、大きな勘違い、最低です。
また、子どもの話を聞かず、ただ一方的に叱っていませんか?
「家族」というシステムに問題がある場合、症状の表れた人だけを治そうしても、まず上手くいきません。
原因は、家族同士の関わり方にあることが多いからです。
たとえば、問題行動を起こした家族をただ非難するのではなく、否定せずに時間をかけて話を聞き、きたんなく話し合うようにすると、本人は精神的な安定と正常な行動を取り戻しやすくなります。
このように、家族の中の誰かに問題があった場合、家族全体のシステムを見直し、その一部または全部を変化させてみましょう。
提案としては、我が家では、家族間でも、朝の挨拶「おはよう!」から「ただいま」「おやすみ」・・・は子供たちが小さい時から実践しています。
たとえば、前日に気まずいことがあっても、「おはよう」の一言が「昨日はゴメンな!」と素直に入りやすいのです。
また、なんか今日は元気がなさそうだ・・・と感じることもあります。
これがコミュニケーションではないのでしょうか?
家族とは、一生付き合っていく関係。
だからこそ、そのコミュニケーションに恒常的な問題が起きないよう、こまめに修正して予防することが大切です。