あおり運転とは、車を運転中の運転手が、走行中の車やバイク、自転車などを煽り、危険な状態に追い込むような行為を言います。あおり運転による死亡事故が発生するなど、近年あおり運転は問題視されていましたが、ついに厳罰化されることになりました。
警視庁のサイトによると、
■令和2年6月10日に「妨害運転罪」が新たに創設され、あおり運転に対してより厳罰に対処することが可能になりました。
あおり運転するということは、故意にほかの車両の走行を妨害することとみなされ、刑事処罰の対象となります。
たとえば、前の車との車両間隔を狭めたり、必要ないのに急ブレーキをかけたりすると、最大懲役3年または50万円以下の罰金が科されることもあります。
■厳罰化の内容
妨害運転(あおり運転)の結果、ほかの車両を路上に停止させるなど、交通上の危険を伴うような行為に対しては、最大懲役5年または罰金100万円に処せられるのです。
さらに、あおり運転をした運転手に対して免許取り消しをするなど、新たな処罰も誕生しました。
あおり運転によって人を死に至らしめた場合は、「危険運転致死傷罪」の対象となります。
■あおり運転厳罰化の背景
あおり運転が厳罰化された背景には、あおり運転による走行妨害が増えたこととあおり運転により命を落としたケースの発生などがあります。
警視庁が実施したあおり運転に関するアンケートでは、回答者のおよそ35%が、ほかの運転手からあおり行為を受けたことがあると回答しました。
つまり、3人に1人が、何かしらあおり行為を受けていることになります。
あおり行為は、車間距離を異様に詰められたり、クラクションを鳴らされたりすることから、進路を塞ぐように運転されたことまで、さまざまです。
車の走行妨害は、大きな事故につながる可能性が高く、とても危険な行為になります。
事実、高速道路上であおり運転を受け、停車させられた車の運転手が、後続車にはねられて亡くなるという、死亡事故も起きているのです。
このような背景から、あおり運転の厳罰化が誕生しました。
危険な運転をする運転手を処罰することで、悲惨な事故の発生を防ぐことが期待されます。
■あおり運転された時の対処法
あおり運転をするような運転手には、できれば遭遇したくはありませんが、もしあおり運転されたときは、どう対処したら良いのでしょうか。
一番無難なのは、冷静になって道を譲ることです。
売られた喧嘩を買う態度で張り合うと、相手の怒りを爆発させるだけで、より危険な状況に発展するおそれが高くなります。
もし相手がしつこく煽ってきたら、ほかの道に逃げるか、高速道路であればサービスパーキングエリアに入りましょう。
突然割り込んできた場合も、冷静になり、スピード速度を落として、車間距離を適切に保つようにします。
割り込みは腹立たしいことかもしれませんが、ムキになると相手の思うツボです。
相手に絡まれて車を停車させられてしまった場合は、窓を開けて対応しようとせずに、すぐに110番通報しましょう。
念のために日頃からドライブレコーダーを取りつけておくことも、防犯対策になります。