女性が「男らしい!」と思う時は、大半の場合、その男性に好感を持った時ですが、家事や育児を女性と同等にこなす男性も増え、また肌のお手入れや脱毛などにも励む男性も珍しくなくなった昨今、女性が感じる「男らしさ」の定義にも変化が見られています。
「女らしくしなさい!」と言われたら反発を覚える女性もいるはず、しかし男性の言動に対して、つい「男らしい!」と好意を持つ瞬間もあるはず。
女性が「男らしい!」と感じるのは、こんな男性。こんな時。
●トラブルやピンチにも焦らず対応できる男性。
・仕事で部下がトラブった時も、突発的な事態に遭遇した時も、冷静に判断し、行動ができるのは、頼もしくて「男らしい!」と感じる。
・予定通りにいかないのが人生だからと、どんな状況でも臨機応変に対応できる夫の姿に男らしさを感じる。
優柔不断にならず、決断・実行ができる
・飲み会の二次会にどこへ行こうか迷っている時、いつの間にかサッと次のお店を見つけて予約していたりする男性。
その決断力や実行力は男らしいと惚れます。
・「何食べたい?どこ行く?」と親切な雰囲気を出しながら女性優先的な男性も多い。
しかし「美味しいお店を見つけたから行こう‼」的に提案ができる人は、「男らしい!」なと思う。
優しいのはいいけれど、いつでも主導権を人に委ねるタイプは男らしさを発揮するチャンスを逃しがち。まず自分から動こうとする行動力に女性は「男らしさ」を感じています。
余計なことを言わず、人の話を聞ける
・人の噂話や悪口に乗ってこない男性。調子を合わせない男性の姿に、周りもそれ以上言うのが恥ずかしくなるし、黙ってその場の雰囲気を変えられるのは男らしい。
・ガールズトークにも「自分が、自分は」と割って入ってくるようなタイプも多い中、聞き役にもなれる男性は男らしく感じる。
「いつも一言多いよね」と言われてしまう男性は、たとえ言っていることが正しくても、「男らしい!」とは思われません。
時には「沈黙」という何もしない態度が、男らしく映ることもあるようです。
損得感情なしで人に優しくできる男性
・ひとりでポツンと寂しそうにしている人には声を掛けたり、困っている人がいたらサッと助けるような、特別なことではないように人に優しくできる男性は男らしい。
・ミスをした人を責めるのではなく、もう一度チャンスをあげて見守ってくれる男性。自分に余裕がないと人には優しくできないものだと思う。
嫌われないように人の機嫌をとる優しさや同情ではなく、損得抜きに誰にでも優しくできる男性の「男らしさ」を女性は感じています。
男性の思う「男らしさ」と、女性の視点との決定的な違いは?
男性が思う、憧れる「男らしさ」とは?
・スポーツマンタイプで、体力・筋力があってマッチョなタイプ。
・アクション映画の主人公のような、一瞬で10人位倒してしまうタイプにあこがれる。
・人を引き込み、引っ張っていけるリーターシップがある。
・周りの目を気にせず、自信がある。
・金払いが良く、ケチケチしない。
女性の感じている「男らしさ」と比較すると、男性自身の思う「男らしさ」は、単純でもっとも分かりやすい印象があります。
ワイルド、豪快、リーダーシップ、肉体や精神の強靭さ、自信など、マッチョなキーワードが多いのが特徴。
女性の求める「男らしさ」は、対人関係で発揮されるものが多かったのが大きな相違点であり、男性視点との決定的な大きな違いです。
「男らしさ」の時代の流れの中での具体例
戦国時代
- 武士道にのっとった生き方をすること
- 自分の生命よりも、名誉を重んじること。名誉のためなら命を捨てられる。
- 倹約・節約する。無駄使いをしない。金銭に拘泥(こうでい:こだわらない)しないこと
幕末~明治時代
- 自分ひとりの身のことより、天下国家のことを考えること。
- 性的に放縦(ほうじゅう:何の規律もなく勝手にしたいことをすること)であること、絶倫であることなど、性の側面での卓越性が発揮できる人物。
第二次世界大戦前~戦後
- リーダーシップ、判断力、決断力がある。
- 落ち着いていること
- 我慢強い
- 無口
- 不言実行。「背中で語っていたものだった」などと言う。
- 感情表現を抑えること。特に悲しみの感情、(泣くこと)や喜びの感情の表出は抑えるのが良しとされた。
第二次世界大戦後~高度成長期など
- リーダーシップ、判断力、決断力、落ち着いていること
- 有言実行
- 主体性。
- 女性に十分な財産・収入があっても、男性が「養われる」のは男らしくないとする偏見がある。
- ヒモという蔑称は男性に対してだけある。
- 主夫に対する無理解も多い。
- 労働者の家庭では・・・汗をかいて体を動かすこと
- 父親が学者の家庭などでは・・・学問や形而上の世界に意識が向いていて、もっぱら頭脳を使い、論理や理屈を優先する理知的な人柄で、あまり身体を動かさず、汗をかかないこと。
- もっぱら女性のほうが身体を使った活動を行い、そちらが「女らしい」とされていた。
以上の「男らしさ」は、男性から見た男性の理想像的要素が強いが、現代の日本の社会では、女性の権利・発言力が増したので、
以下のように女性の視点で見た都合の良い男性像もしばしば語られるようになった。
「男らしい人が好み」と言う女性に「具体的にはどんな人ですか?」と質問すると、
千差万別な答えが返ってくることが「SPA!」などの記事に取り上げられている。
そのため現在の日本においては、男らしさのイメージも千差万別であり、
万人が認めるような男らしさの概念が確立されているわけではないと考えられる。
間違った考えの「男っぽい」とか「男らしい」
否定的な意味では、日本では次のようなことが(悪い意味で)「男っぽい」とか「男らしい」とされてきた。
- 「鈍感(どんかん)」「ニブい」
- 「喧嘩早い」「暴力的」
- 自分が勇猛であると見せようとして、(無駄に)危険・無謀なことをする。結果として、怪我が多かったり事故死する確率が女児より高い。
世界各国の「男らしい」の考えは
- イギリスでは古くは騎士道にのっとった生き方が男らしい、と思われていた。
- その後、紳士的(ジェントルマン)であることが最大の男らしさと考えられ、紳士道からレディーファーストの理念も発達し、ただ力を誇示するだけでなく、女性を尊重してこそ誠に男らしいとされる文化が発達した。
- フランスでは早い段階で、男性らしさや女性らしさより、個性や人間らしさが評価されるようになった。
近年の日本では、男らしさは男性の負担になるとして、男性自ら排除しようとする人々も数多く存在するようになりました。
また、「女らしさ」の要求はタブー視されてきているのに、「男らしさ」への要求は今なお当然とする向きが残っていることに反発する意見も多いのが現状です。