四十肩と五十肩とは、肩に激痛が走って腕が上がらなくなる四十肩と五十肩は、その名の通り40~50代に起こりやすい肩関節の炎症です。実は四十肩と五十肩は同じ病気です。
40代に起こるので四十肩、50代に起きれば五十肩と呼ばれてきました。
この四十肩、五十肩という呼び方は俗称で、正しくは「肩関節周囲炎」と言います。
■四十肩(五十肩)の特徴
四十肩(五十肩)の特徴は、腕を上げようとすると肩の関節が痛む、腕が上がらなくなる、といった症状です。
たとえば日常生活の中では、ファスナーが上げられない、シャンプーがしにくい、服の脱ぎ着ができない、などが挙げられます。
発症すると数週間から数ヶ月の「発症期」は、腕を上げようとしたときに肩に鈍痛が起こるようになるので、肩の異変に気付きます。
我慢できるないほどの痛みではありませんが、肩こりや筋肉痛と間違えることもあります。
発症期を過ぎると「炎症期」に入り、肩の痛みが激しくなります。
朝晩や横になったときに痛みの強くなるのが特徴です。
中には夜中に眠れなくなるほど激しい痛みを経験する人もいます。
炎症期は2週間ほどで治まり、「回復期」に入るのです。
この頃には痛みは残るものの、肩や腕も動かすことができるようになり、1ヶ月ほどでその痛みも消えていきます。
四十肩(五十肩)は、このように時間の経過によって自然に回復していく病気です。
ただし、症状が治まってきた回復期に油断をすると再び炎症期に戻ってしまうことがあるので、注意が必要です。
■四十肩と五十肩が起きる原因
四十肩(五十肩)が起きる原因は、はっきりわかっていませんが、加齢によって肩関節周辺の筋肉・靭帯が炎症を起こしているため、と考えられています。
■治療法
四十肩(五十肩)を発症したら、対症療法で炎症をやわらげていきます。
痛みや肩の違和感があるときは、整形外科を受診して治療を受けましょう。
四十肩(五十肩)と症状がよく似た肩の炎症に「鍵盤断裂」や「石灰沈着性腱板炎」があり、こちらは別の治療が必要になるためです。
四十肩(五十肩)は、服薬や関節内注射で炎症を鎮めることができ、回復すれば後遺症が残ることなく通常の生活ができるようになります。
炎症期と回復期は、肩に負担をかけないよう、腕を自然に下ろした状態を保つことも大切です。
横になると痛みが強くなる場合は、抱き枕をお腹の上に置いて、四十肩(五十肩)のある腕で抱えるような姿勢を取ると楽でしょう。
痛みが強いときはアイスパックなどで患部を冷却し、回復期にはお風呂で肩を十分に温めて血行を促進させるのが効果的です。
回復期が過ぎ、痛みが完全に治まったら、肩のストレッチをして、肩関節やその周辺の筋肉をゆっくりとほぐしていきます。
■四十肩(五十肩)は予防できる?
誰もが四十肩(五十肩)になるわけではありませんが、
一般的に肩から上に腕を上げる機会が少なくなるのが四十代、五十代と言われることから『四十肩、五十肩』との説もあります。
発症すると痛みがつらく、しばらくは生活に差し支えてしまうので、40代に入ったら四十肩(五十肩)にならないよう、予防を心がけることをおすすめします。
普段から肩をぐるぐるまわして血行を促進させ、肩関節の可動域を広げておくと、肩関節や周辺の筋肉を若々しく保つことができます。
肩を後ろへ引き寄せてて左右の肩甲骨をくっつける、ゆるめる、のエクササイズを時々行うのも肩関節が硬くなるのを防ぐので効果的です。
主婦が洗濯物を干す時に腕を高く上げるのも予防に役立ちそうです・