ブラック企業とは、労働者を酷使・選別し、使い捨てにする企業。「ブラック会社」ともいいます。ブラック企業とは、度を超えた長時間労働やノルマを課し、耐え抜いた者だけを引き上げ、落伍(らくご)者に対しては、業務とは無関係な研修やパワハラ、セクハラなどで肉体・精神を追い詰め、戦略的に「自主退職」へと追い込みます。
私が経験してきたのは、高額商品の販売会社。
不動産関連、保険関連であるが、入社したての頃は、研修生ということで、給料も一般よりも若干高くて、三カ月後には一般的よりもダウンするしくみでした。
高額な商品の為、そして日常的に必要な商品ではないので、簡単には売れなくて、必然的に、友人、知り合い関係に頼ってしまい、新規開拓ができなくて、給料もダウン、知り合い関係も底をつき、退職へ・・・
企業はそれが狙いで、新人の何割かが成績をあげてくれれば良いのです。
あなたがもし、販売系の企業に入社しようと考えているなら、新規顧客の開拓に全力を挙げるべきです。
親、兄弟、親戚、知り合いには販売しないことです。
以前、知り合い関連で、保険会社に就職したから、自動車保険を当社に変更して欲しいと言われたことがありましたが、「君が10年後にまだ頑張っていたなら、考えよう」といったことがありましたが、今どうしているかな。
さて、話を戻して・・・
ブラック企業で後悔しない為には、会社訪問や面接、インターネットの情報収集などを通じて会社の特性を見極めます。
ブラック企業は、新興の中小企業や小規模企業に比較的多いと言われていますが、有名企業や大企業だから安心だというわけではありません。
長時間労働やサービス残業が強いられる、実質的に休暇をとれない、無理なノルマを課されて達成できなければ責められる、パワハラやセクハラが横行している……
このように人材を酷使できるだけ酷使して使い捨てようとする会社は、すべてブラック企業と考えてよいでしょう。
入社後のストレスはもちろん、経済的、体力的なダメージも計り知れません。
入社前に、その会社がブラック企業であるかどうかを見極めることは、非常に難しいものです。
なぜなら、会社側も人を採用をする際には自社のポジティブなイメージを強調しがちですし、応募する側も会社訪問や面接で多少の不安を感じたとしても、期待の気持ちで不安をかき消してしまうことが多いためです。
もちろん、いったん入社をして納得がいかない場合には転職・退職することも可能ですが、先述した通り、一度入社してしまってから人生の方向性を変えるのは大きな負担になります。
短期間で退職することによって、キャリアに傷がつく心配があるかもしれませんし、収入面でもマイナスになりがちです。
次の就職先を決めるまでには時間がかかることはもちろん、転職活動ではエネルギーも消耗します。
したがって、できる限り入社前に会社の特徴を冷静に分析し、ブラック企業の可能性があれば、回避することが重要です。
では、ブラック企業の可能性を見極めるためには、入社前にどのようなポイントを確認するとよいのでしょうか。
基本となる2つのポイントは。
ビジネス心理学には、「衛生要因」と「動機づけ要因」というキーワードがあります。
「衛生要因」とは、労働者が働く上で当然得られるべきものと考え、少しでも欠けていると不満を感じる要因です。
経験や能力に応じてもらえる報酬、法令を遵守した労働条件・労働環境などが含まれます。
一方の「動機づけ要因」とは、従業員が仕事に働きがい、仕事への意欲やモチベーションを向上させる要因です。
ブラック企業の採用活動に共通するのは、衛生要因を十分に説明せず、動機づけ要因ばかりを印象付けようとすることです。
安心して健康的に働き続けられる労働条件や労働環境についての説明がなく、「やりたいことができる」「自己実現ができる」というように働きがいの部分ばかりを強調しているような会社は要注意です。
動機づけ要因ばかりを強調する企業には、面接時に衛生要因について質問をし、どの程度の整備がなされているのかを確認することが必要です。
具体的には、労働基準法に準拠した労働条件、労働環境が整っているのか、繁忙期の残業時間、残業代の支払い、有給休暇や育児休業・介護休業の取得率はどうか、といったことを最低限、確かめる必要があります。
さらに、その会社のホームページや提供しているサービスや物品をよく見て、違法性がないかどうか、社会的モラルから逸脱したものでないかどうかをよく見ておく必要もあります。
また、インターネットで、会社の口コミ情報には正確ではないものもありますが、参考になるものもあります。
良い点ばかりの口コミも不信感がありますね
入社を決める前には可能な限り情報を収集して、衛生要因と動機づけ要因のバランスが整った会社かどうか、具体的に冷静に判断する必要があります。
入社試験や面接で社屋を訪れる際には、職場内の環境や従業員の様子をよく観察しておくことが必要です。
職場の中が整理整頓されておらず、入り口付近に段ボール箱やゴミが積まれていたり、仕事に関係のない物が無造作に置かれているような会社は、衛生要因への意識が低い会社だと疑わざるを得ません。
また、オフィスの中もできる限り覗いてみましょう。
狭い職場内に従業員がひしめいている、上司の怒鳴り声が聞こえている、ノルマ・成績、精神論的訓示の張り紙があまりにも目立つ、照明が薄暗く周囲を見渡しにくい、オフィス内や多くの従業員のデスクが乱雑になっている、トイレや水回りが不衛生である。
こうした職場環境には、事業主の従業員に対する扱いが表れている可能性があります。
さらに、従業員が働く様子もよく観察してみましょう。
面接官や受付に対応した人の態度が好意的だったからといって、油断してはいけません。
従業員の表情が暗い、笑顔や会話がない、疲れがみえる、来客者に目もくれない。
逆に、テンションが異様に高い、といったサインには注意が必要です。
面接が夜に行われるようならば、その時間帯に社内に何人くらいの人が残っているのかも、よく観察しておきます。
また、従業員の年齢分布も重要な点です。
平均年齢が低すぎないか高すぎないか、中堅層の30~40代が空洞化していないかをよく見ておきましょう。
中堅層の従業員が少ない場合、実力のある人材が定着していない可能性もあります。
ブラック企業を100%見抜くことは、難しいものです。
しかし、以上の2ポイントを頭に入れておくだけでも、ブラック企業の可能性を査定する上で役に立ちます。
企業の理念や姿勢は、面接者の言葉や職場環境、従業員の態度に如実に現れます。
美辞麗句を並べても労働条件を明確に説明しない。
職場環境を整備していない。
従業員の様子に違和感を覚える。
といったサインがある場合にはそれらを見逃してはいけません。
会社訪問や面接は、会社が一方的に応募者を査定する場ではありません。
応募者自身にとっても、自分に価値のある会社かどうかを査定する場なのです。
入社してから後悔しないように冷静に会社の特徴を見極め、納得のいく就職を目指しましょう。