行者にんにくを今までに食べたことはなくても、スーパーで見かけたとか、にんにくの別名だと思っていたという人も多いかもしれませんが、この行者にんにくは「にんにく」とは違うものです。好きな人には一度食べると病みつきになるそうです。
■ 行者にんにくとは、名前の由来は?
ギョウジャニンニクはタマネギやニンニク、ニラなどと同じユリ科ネギ属の多年草で、別名をキトビロ、ヤマビル、ヤマニンニクと言い、日本には近畿以北から北海道にかけて分布していますが、東北より南では高山でしか見られません。そのため、「行者が食べるにんにく」ということから名付けられました。
▼行者にんにくの味と香りは?
ニンニクと同じような香りがあり、滋養強壮に強い効果があるといわれ北海道では古くから山菜の王様として食べられてきました。
ただし、にんにくに似たにおいが強烈で、一度つくとなかなかとれません。
▼売られている行者にんにくは栽培されたものばかり?
行者にんにくは、山菜採りにきた人が見つけると必ずと言っていいほど収穫していきますので、天然物は減少傾向にあります。
それに加えて行者にんにくは生長がとても遅く、収穫できるようになるまで5~7年かかるといわれています。
これらのことから、天然の行者にんにくはどんどん数が減っていて、いま手に入るもののほとんどは人工栽培されたものなのです。
▼行者ニンニクの食べ頃の旬は?
ギョウジャニンニクは1月頃からハウス栽培物が出始め、3月頃には北海道南部の天然物が出回り始め、産地を北へ移しながら4月中旬~5月中旬に最盛期を迎え6月初旬頃まで続きます。
■ 行者にんにくの栄養成分は?
行者にんにくには、アリシンやスコルジニン、パテント酸、チオエーテル類などが含まれていて、アリシンの含有量はにんにくを上回っています。
その他、ビタミンB1、B2、B6、C、E、K、カロテン、ナイアシン、葉酸ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄などが含まれています。。
■ 行者にんにくの効果・効能は?
にんにくよりも豊富なアリシンが含まれており、アリシンは、行者にんにくの細胞を壊す(切る、刻む、すりつぶすなど)ことで生成されるのですが、その効果や効能には目を見張るものがあります。
▼アリシン効果で得られる効能ってどんなもの?
血糖値や血液中のコレステロール値を抑え、高血圧や糖尿病などの予防や改善につながります。
血液をサラサラにし、血栓、心筋梗塞、脳梗塞を予防します。
活性酸素の発生を抑え、動脈硬化などの生活習慣病を予防します。
身体の免疫力を高め、ガンをはじめ、さまざまな病気を予防します。
強力な殺菌作用により、食中毒、結核菌、ブドウ球菌、赤痢菌、チフス菌などの病原菌から守ります。
また、アリシンにはビタミンB1の働きを高める効果もありますので、ビタミンB1を多く含む食品と一緒に摂ることで疲労回復や滋養強壮にとても役立ちます。
行者にんにくには、疲労回復、新陳代謝促進、免疫力アップ、髪や視力の健康維持、粘膜や皮膚の正常化、呼吸器系統の健康維持、ストレスの緩和などが期待できます。
▼行者にんにくの使い方と食べ方、行者にんにくを使った料理レシピ
ニラやネギ、ニンニクのように使うのもいいでしょう。
炒め物、揚げ物、天ぷらやおひたしなど、行者にんにくはなんにでも使えます。
行者にんにくは、そのまま生でも食べられる食材で、味噌をつけても良くマッチします。
▼行者にんにくの醤油漬け
行者にんにくをサッと茹で冷水につけ、水気をよく拭き取ったら、密閉できる容器や袋に入れ、3:2の割合になるように醤油:だし汁を加えて2~3日冷蔵庫で寝かせます。
■ 行者にんにくの選び方のコツ
鮮度のいい行者にんにくは、葉がみずみずしく、張りがありますので、葉先までピンと張っているものを選ぶといいでしょう。
また、茎が太く、どっしりとしているかどうかもポイントで、古くなったものは根元の切り口が溶けたようになってきます。
行者にんにくは、だんだん葉が開いていくにつれて香りが弱まりますが、鮮度が落ちているとは言えませんので、行者にんにくの場合、香りはあまり選ぶポイントになりません。
●行者にんにくのにおいを抑える方法はある?
買うときに新鮮なものの中で、葉がピンと張ったものの中で、できるだけ開いて香りが抑えられているものを選ぶと良いです。
下処理をするときに行者にんにくの根元周りにある皮を取り除くこと。
それでもにおいが気になる人は、一度凍らせるのがいいでしょう。
凍らせると行者にんにくの香り成分がはたらかないので、その間に調理をすることをおすすめします。
▼行者にんにくの保存方法は?
行者にんにくは、濡らしたキッチンペーパーでくるみ、立てて野菜室で保存します。
冷凍保存する場合は、茹でてから水気を切って冷凍庫に入れます。
一度冷凍したものは、凍ったまま加熱調理すれば火の通りや味の染み込み具合も早くなります。
■ 行者にんにくのまとめ
行者にんにくの有効成分は、本家のにんにくよりも多く含まれているようですね。
それに加えて、山菜の王様と言われるほど風味がいいのなら、ぜひ取り入れたいところ。
まだ味わったことがないという人は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
行者にんにくは栄養豊富、効果抜群!!