なぜ「ブルーライト」は目に悪いというイメージを持たれるのでしょうか。本当に人体に「ブルーライト」は悪いのでしょうか。ブルーライトとは、波長が380~500nm(ナノメートル)の青色光のこと。ヒトの目で見ることのできる光=可視光線の中でも、もっとも波長が短く、強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。
ブルーライトをカットする眼鏡、
このキャッチフレーズを最近よく見かけるようになりました。
スマートフォンやタブレット、パソコンによる疲れ目を緩和するのに効果があるとして、お使いになっている方も多いでしょう。
しかし、ブルーライトは本当に目に悪いものなのでしょうか?
ブルーライトは文字通り「青い光」ですが
目に見える光(可視光)の中で、青は波長が短い光です。
そして波長は短い方が、強いエネルギーを持つとされます。
赤外線よりも、紫外線の方が人体に与える影響は大きいのは、ご存知のとおりですが
「ブルーライトは、エネルギーの強い光だから、目に与える影響も強そうだ。」
ということから、ブルーライトは「目に悪い」というイメージが出来上がったようです。
ですが、実はブルーライトは日常生活になくてはならないものだったのです。
ブルーライトを感じるのは、網膜にある細胞、この網膜の細胞がブルーライトを感知すると、脳にその信号が伝わり、信号を受け取った脳はメラトニンという物質を出します。
このメラトニンは、体内時計を司っているとても重要な物質です。
これがうまく働かないと、一日の体内リズムが狂ってしまいます。
つまりブルーライトは、目に悪いのではなく、人間の体内時計をきちんと機能させるために大切なものなのです。
ブルーライトは携帯端末だけでなく、太陽光にも含まれています。
●光のスペクトルは、日本では、波長が長いものから順番に、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫で表されますが、国や文化によって分類の仕方が異なります。
アメリカやフランスなどでは、赤、橙、黄、緑、青、紫の6色になります。
スェーデンの場合は、赤、黄、青、緑、桃、藍の6色となるようです。
そして、ドイツでは5色で表現するとのことですが、日本でも昔は5色で表現されていたそうです。
朝、太陽光から自然のブルーライトが目に入ると、私たち人間の体は、「朝が来た」ことを知ります。
まさにブルーライトによって、体が起きるのです。
逆に、体が眠りに入ろうとする時に、スマートフォン等を使ってブルーライトを浴びてしまうと、体は「あれ?朝?」と勘違いをしてしまい、体内時計が狂ってしまいます。
ブルーライトが「目に悪い」とすれば、それは就寝前にスマートフォンやパソコンを見ることで、眠りが浅くなったり寝付きが悪くなったりするからです。
つまり、ブルーライト=目に悪いというより、ブルーライトを浴びるタイミングに問題があった、ということです。
朝起きた時にはブルーライトが必要ですが、夜寝る前にはあまり必要ないのです。
現時点では、ブルーライト=「目に悪い」という医学的根拠はないそうです。
ブルーライトカットの眼鏡も、まったく無意味というわけではないようですが、目が疲れる原因はブルーライトとは限らないようです。
眼鏡を変えれば疲れ目が劇的に良くなるわけでもないようです。
また、もし外国旅行に行って時差ボケを起こしたら、外に行って日光を浴びれば、ブルーライトによって体内時計がリセットされ、時差ボケを解消することができます。
このように、ブルーライトは人間が健康的に生活していくためには不可欠なものですので、
『ブルーライト』『ブルーライト』とむやみに怖がる必要はありません。
体が必要とするときは太陽光からブルーライトをたっぷり浴び、必要ないときは目に入れないようにすればよいだけのことです。
就寝前にスマートフォン等を見るのは、極力短時間に抑えましょう。
ブルーライト=「目に悪い」というのは、思い込みだったようです。
うまく付き合って利用するのが大切ですね。