時間に追われていたり、ストレスがたまっていると、老化が加速することをご存知ですか? いつも時間に追われて、せかせかとがんばっていませんか? 睡眠時間も削って、アクティブに働くような生活を続けていると、体はどんどん“さびて”しまいます。なぜなら、
体内で発生する「活性酸素」は、活動量が増えるとともに多くなり、疲労がたまるほど、活性酸素を除去する力が低下する、
と言われているからです。
人間をはじめ、地球上の多くの生物は酸素を取り入れてエネルギーを生み出しています。しかし、酸素を利用している以上、体内で「活性酸素」という物質が約2%ほど発生します。
そして長年、この活性酸素の害にさらされていると、細胞や組織が酸化され(さび)てしまいます。そしてこれが、病気や老化につながる要因になる、と考えられているのです。
したがって、
老化の速度を遅らせ、病気を予防したり、進行を食い止めるには、活性酸素を増やさないライフスタイルを心がけることが、大切だと考えられます。
活性酸素を増やす要因には、食生活の乱れやタバコや大量の飲酒、過激なスポーツ、紫外線など、さまざまな要因があります。
しかしそれだけではなく、ストレスも重要な要因のひとつです。代表的なメカニズムには、次のようなものがあります。
1. ストレスを受けると、ストレスに対抗する「副腎皮質ホルモン」が分泌される。この分泌と分解の過程で、活性酸素が発生する。
2. ストレスは、「抗酸化ビタミン」ともいわれるビタミンCを大量に消費する。
3. 緊張が続くと血管が収縮し、一時的に血流が阻害される。その後、血管が拡張したときに、血液が勢いよく流れると、大量の活性酸素が発生する。
4. ストレスがあると高血糖になりやすい。この状態も、活性酸素が増える一因。
忙しいときや落ち着かないときには、ついつい早食いになってしまうこともありますよね。でも、食べ物をよくかまないと、食べ物が唾液と十分混ざり合わないまま、食道へと流れ込んでしまいます。
早食いは消化にもよくないばかりか、活性酸素が増えることにもつながるのです。
「魚のコゲを食べるとガンになる」と、耳にしたことがありませんか? これは、魚や肉のコゲに、活性酸素を発生させる成分が含まれているためです。
しかし、
よく噛むことで、コゲによる活性酸素の発生は抑えられます。
なぜなら、唾液の中には、「ペルオキシダーゼ」という酵素が含まれており、活性酸素を撃退してくれるからです。
しかし、疲れがたまっていると、この効果も激減します。心身ともに元気でなければ、唾液の活性酸素撃退力が低下してしまうのです。
ストレスを、アルコールやタバコで解消している人は、少なくありません。しかし、
大量飲酒や喫煙も、活性酸素を増やすきっかけになります。
アルコール自体には、活性酸素を除去する力があるため、ほどほどならよいのですが、大量のお酒を飲むと脅威となります。
アルコールが肝臓で分解される過程で、活性酸素が生じるため、飲酒量が多いほど活性酸素発生量も増えてしまうからです。
また、
タバコには、活性酸素そのものが含まれているため、喫煙は活性酸素を自ら取り込んでいるようなものです。
それだけでなく、有害物質が肺に沈着した後にも、大量の活性酸素が発生しますので、肺の老化を進めるもととなります。
ストレスを忘れるために、アルコールやタバコに頼っていると、
いつのまにか老化や体のトラブルを招いてしまうことにもなりかねません。
心当たりのある方は、充分にご注意を!