子供

最近、会社などで「指示待ち人間」が増えていると言われています。「指示待ち人間」とは、自分から進んで行動できない人間のことです。その発端は幼少期。我が子が将来、言われないと動けない「指示待ち人間」にならないために、今、親ができることとは?

「指示待ちチャン」とは、親、教師などに何か言われると動けるが、自らは動こうとしない状態のことです。

失敗したっていい! 自らの考えでガツガツと動ける子になってほしい

「ほら食べなさい」と言われないと食べ出さない。

何をしたらいいか分からないで退屈そうにしている。

「何で遊んだらいい?」

子供が面倒だと感じる、「着替え」「歯磨き」「就寝」「宿題」などは、ママに指示されるまで、先延ばししたくなる気持ちは多少理解できます。

「早く着替えなさい」「歯を磨きなさい」「さっさと寝なさい」「帰ったらすぐに宿題をやりなさい」・・・

このような指示は、「面倒くさいから、言われるまでやらない。言われたらやろう。言われなかったらラッキー!」

こんな考えのお子さんもいるでしょう。

ひょっとしたら身に覚えのある方も。

親の過保護が原因?指示待ち人間になるリスクを高める要因とは

親が世話を焼きすぎる
子供の一日24時間、親が管理するものが増えれば、当然、子供の自由度が減っていき、子供は選択の余地がなくなります。

朝起きてから夜寝るまで、通るべきルートが決まっていると、そこには分かれ道は存在しません。つまり子供は、選択するチャンスが著しく少ないまま成長するので、幼稚園や小学校に上がったころには、言われないと動けないという状態ができあがってしまいます。

しかしこれは、子供が圧迫感を受けるので、いつか「ウザい!」ということに?

 親の先回り
親は我が子が安全に過ごせるように常に気を配るもの。

たとえば車の前に飛び出さないように手をつなぐ、包丁をいじったりしないように届かないところに置くなど。

これらは当然必要な先回りですが、それがエスカレートし、子供が「イヤな思い」をしないようにと、先回りしてしまうことがあります。

本当なら失敗しながら乗り越えていくべきチャレンジなのに、「不安になったらかわいそう」とママが前もって目の前の困難をどけてくれたら、子供はそれに文句は言いません。

なぜならスイスイと通れる道は気持ちいいものだから……。

 

しかし、いつもいつも快適で平らな道ばかり通っていては、「考える」という習慣が育ちません。

それを身につけぬまま大きくなってしまうと、誰かに指示を出してもらわないと動けなくなってしまうのです。

この場合、子供から「ママ、もう先回りはやめて」と言い出すことはないので、その深刻さに気づかぬまま、後々になって問題化することになるでしょう。




子育てでは「言うことをよく聞く子」こそ、逆に親の配慮が必要。

世間でよく問題になるのは、「言うことを聞かない子」です。

しかし、「言うことを聞かない子」というのは、

「意思がはっきりしている」「自分のやりたいことがわかっている」「指示されても、それが自分にどういうメリットがあるのかを考えてから動く」と、

実は、自ら方向性を決めたいという意欲にあふれた子供たちなのです。

一方の「言うことをよく聞く子」は、一般的には「良い子」、言い換えると、親にとっては「育てやすい子」「都合の良い子」なのです。

なぜなら、「言われたことはすぐにやる」「相手に逆らわない」と大人がカリカリすることが少ないからです。

でももし、この子たちを世話の焼き過ぎや先回りで育ててしまったらどうなるでしょう?

もともと素直な子だけに、親に言われたとおりにやることにどんどん慣れていってしまうでしょう。

脱・指示待ち人間のために必要な子育てに必要なスキルは「考える習慣」です。

子育てで大事なことは、子供のやることにあれこれと口を出さず、任せてしまうのです。日本人からしたら「ほったらかしている状態」の中で、子供たちは試行錯誤しながら『考え』多くを学んでいきます。

日本の宿題では、暗記ものや与えられたものをきちんとこなすタイプの課題の宿題が多いですが、

ヨーロッパの教育では、テーマだけが与えられ、その上に個人個人が「思うこと」を発表します。

だから、宿題提出日には、まったく異なったタイプの宿題が集まるようです。

文章にまとめた子もいれば、立体的に形にして作り上げた子もいたりして、バラエティー豊かだそうです。

先生方も、そうやって育ってきたので、「こうでなくちゃだめ」という見方をすることはありません。

その子がどうやってその形に行きついたのか、それを評価してくれるのです。

親としてやってあげたいのは、子供に選ばせる機会を作ることと同時に、子供に「どう思う?」と考えを聞くこと。

子供の話に「なるほど!それはいいアイデアだね」と言ってあげること。

このような機会を意識的に作ると、子供は自分で考えて判断することを学んでいってくれます。

そして自分に自信がついてきます。

最初は、食事のメニューなど身近なところからスタートしてみてください。「自分で考えて決めた」という経験を繰り返すことが、脱・指示待ちチャンへとつながっていきます。